iPhoneの充電が遅い、なかなか充電されないと思っている方のために、今回のエントリーではiPhoneを効率よく・早く充電する際に必要な知識を簡単に紹介したいと思います。
みなさんは充電に関する知識ってちゃんと持っていますか?
実際にiPhoneの充電の早さ効率を決めるのは下記の3点になっています。
- iPhone機種ごとの最大入力性能
- USB充電器の性能
- 充電に使うケーブルの充電性能
この3つの点をしっかり確認することによってiPhoneをより効率よく・早く充電できるようになります。iPhoneの充電が遅くてなかなか充電されずに困っている方のために1つづつ紹介していきます。
iPhone(アイフォン)を早く充電する際に知っておきたい3つのこと
中学校の理科の実験なんかで1度は聞いたことがあるような電気の話もありますができるだけわかりやすく書いていくつもりです。
iPhoneの最大入力性能について
まず1つ目のiPhoneの「最大入力性能」ですが、簡単に言うと「iPhone」自体をどれくらいの大きさの電気で充電できるかということです。
iPhoneの充電には電圧(V)が5Vで行われ、機種ごとに流せる電流(A)の大きさが変わってきます。iPhoneを充電するための電力の計算式は下記になります。
充電時の電力の計算式
電圧(V)×電流(A)=電力(W)
こちらの式で計算可能です。
電力(W)が大きいほどiPhoneを早く充電できます。
このエントリー内では直感的に分かりやすくするため電力(W)のことを「充電力」とします。この値が大きければ充電が早くできると思ってください。
手持ちのiPhoneなどを調べてみると機種ごとの最大入力性能はこのような形のようです。
- iPhone5s以前 5V×1A=最大5W
- iPhone6.7 5V×1.5A=最大7.5
- iPhone6.7 Plus 5V×2A=最大10W
- iPhone8以降 9V×2A=最大18W?
- iPadPro 15V×2A=最大30W
アップルの公式サイトに高速充電の記載はありますが、詳細なW数は書いてありませんののでこのあたりは、正式なものではありませんので参考としてください。
iPhone6/6plus以降に画面サイズのアップに伴い本体が大画面化し、それに伴いバッテリーの容量も大きく増えることになりました。それに合わせるようにiPhone自体が対応できる最大充電力もアップしている形になっているようですね。
また、iPhone8以降はUSB PD(Power Delivery-パワーデリバリー)という新しい規格に対応するようになっており、より早い充電が可能となっています。対応する充電器利用すれば30分で50%の充電が可能と言われています。
このように端末ごとに入力に使える最大入力つまり、「充電力」が変わってきますのでまずはこちらを把握しましょう。
USB充電器の性能について
2つ目の充電の早さを決める要素は、コンセントから電気を持ってくる【USB充電器】の性能です。
コンセントに差し込んでUSBケーブルが差し込めるようになっている充電器なのですが、ここで注目したいのはUSB充電器の出力です。
つまり、コンセントから電気を引っ張ってきて、iPhoneに送り出す力のことです。
表記に関しては「出力」または「Output」となっており電圧「v」と電流の「A」の両方で表記されているかと思います。
アップル純正の充電器の出力は5V 1Aと表記されています。そうすると充電力は5Wとなりますよね。
ここで先ほどの機種ごとの最大入力性能をもう一度持ってきて比べてみるとしましょう。
- iPhone5s以前 5V×1A=最大5W
- iPhone6.7 5V×1.5A=最大7.5
- iPhone6.7 Plus 5V×2A=最大10W
- iPhone8以降 9V×2A=最大18W
- iPadPro 15V×2A=最大30W
例えば、iPhone5sの入力は最大5Wの充電力で、付属品の純正USB充電器で出力の最大充電力は5Wなので効率よく充電できます。
ただし、iPhone6.7だと7.5W、6.7plusだと10Wまで入力の充電力が使えますので付属のUSB充電器だと入力の充電力を最大まで使えないということになります。付属のUSB充電器がその機種を一番効率よく充電ができるわけではありません。
ですので、利用している機種に合わせて最大出力を確認して、その出力に対応したUSB充電器を使えば、機種の最大入力充電力で充電が可能になり、より効率よく充電ができるようになります。
最大出力に関しては、商品ページに基本的に記載されていますのでよく見て購入しましょう。
充電に使うケーブルの充電性能について
最後の3つ目は見落としがちな充電に使うケーブルの性能について紹介していきます。
USB充電器の方は結構気にする方が多いのに意外と充電ケーブル側は気にしない人も多いのですが、こちらも効率の良く早く充電をするには欠かせない要素になっています。
ケーブルには3つのタイプがあります。
- 充電専用
- データ通信専用
- 充電・データ通信用
充電を考えた際に、この中で選んではいけないのは「データ通信専用」のケーブルです。そもそも充電用に作られていないので充電できません。
充電をしたいなら充電専用か充電・データ通信の両対応のものを使う必要があります。ただし、充電の文字があるケーブルであればなんでもOKというわけではありません。
なぜなら、充電ケーブル自体が対応可能な電流Aの大きさに違いがあります。
たとえば100円均一などで買えるケーブルに関しては最大1Aの表記があり、これを使うとUSB充電器自体が2Aに対応していても1Aでしか充電できませんし、場合によっては過電流で火災などの危険もあります。
表記があれば良い方でその辺りの表記が全くない安価な商品も見られますが、充電ケーブルの値段はこの辺りの最大電力の違いや充電ケーブル自体の抵抗大きさ、Apple認証の有無などで決まってきますので安易に安い商品に飛びつくのはやめた方が良いかと思います。
手持ちのライトニングケーブルで実験をしてみました。最大2.4Aで充電できるUSB充電器で最大入力が2.4AのiPadを全く同じ条件で充電してしいます。
ライトニングケーブルはiPadでの充電も想定しているの2.4Aまでの電流に対応していて、安物のケーブルは1.5Aぐらいまでの対応しかしていない形がみてとれます。充電の効率が30%も違いますね。
ちなみに買ったのはこんな感じの非認証品の安いケーブルです。
また、ケーブルによってiPhoneに電気を送る際のロスの大きさが違ってくる点もチェックが必要です。
例として、iPhoneで上と同じ条件で比較してみました。iPhone5は最大入力充電力5Wで、ケーブルは両方共5W以上での充電に対応しています。
同条件でも20%程度の差があります。純正ライトニングケーブルのほうが安いケーブルに比べてロスなくiPhoneを充電できているのがわかりますね。高いケーブルには理由があるってことです。
このように、たとえ2Aでの充電にケーブルが対応していたとしても、ケーブル自体の送電ロスが多いと充電の効率が落ちます。なので特にこだわりがなく、金銭面でも問題ないようであれば純正のケーブル等の信頼が置ける商品を購入するのが無難だと思います。
商品を選ぶ基準としてはApple認証を受けている「MFI(Made for iPhone)」のマークが付いているものがわかりやすいのでおすすめです。
まとめ
iPhoneを効率よく充電したいなら基本的には2A以上のUSB充電器と2A対応で電力のロスが少ないケーブルを使って充電しましょう。
ケーブルは純正のものが電力ロスも少ないので基本的にそのままでOK。充電器はどの端末でも2A以上のものをおすすめします。
また、iPhone8以降に関してはより高出力で充電可能な「USB PD」に対応した充電ケーブルと充電器を選ぶことをおすすめします。
また、充電用のケーブルに関しては、最大出力の記載はありますが、実際の充電効率などは不明な場合が多いので、選ぶのが難しいところです。ですので、純正の充電ケーブルか、きちんとMFI認証を受けているものを購入するのが無難だと思います。
参考になれば幸いです。
てな感じで。